CONCEPT市のこだわり

吉野杉

奈良県の高級ブランド「吉野杉」

吉野における植林の歴史は古く、約五百年前の室町時代までさかのぼる事ができます。これだけ長い歴史を持つ人工森は世界的に見ても非常に稀です。当工房の家具に使われている吉野杉の多くは樹齢百年以上のものですが、それは最低でも親子二代にわたって育てられた木ということです。何十年何百年の先を見据えて、今、木を植え育てる。吉野の人々はそうして幾世代にもわたり山を大切に育ててきたのです。そんな思いと自然の厳しさに育てられた杉が、私たちの家具の材料です。あなたも吉野杉の家具と暮らすことで、日本の木の文化を紡いでいきませんか?

LIFE IN YOSHINO(YouTube)

©奈良県庁奈良の木ブランド課

美しき日本・吉野杉(YouTube)

©奈良県奥大和移住・交流推進室

吉野杉の特徴

美しい柾目

吉野林業では山に木を植える際、他の産地に比べて木を密集させて植えます。その本数は約3倍にもなります。このように密植された木は、光を求めて上へ上へとまっすぐに伸びようとします。そして、時期を見て少しずつ何度も間伐を行い、最終的に1本を大きく育て上げるのです。このように、成長の過程で木をお互いに競い合わせることで、木はゆっくりと、まっすぐに成長します。その結果、年輪幅が狭く均一な、美しい柾目を持つ杉が育つのです。

色艶、香りの良さ

吉野杉は油分が多く、年月が経つと美しい飴色に色艶が変化していきます。
使い込むほどに変化していく味わいを楽しめるのも吉野杉ならではの特徴です。また香りも良く、江戸時代から酒樽として多く使われてきました。この香りにはフィトンチッドという香り成分が含まれ、防臭、消臭効果、さらには防腐、殺菌効果もあることが知られています。体にいいことも実験的に明らかとなってきており、「精神を安定させる」「不眠を解消する」など、心身を深いリラクゼーションへ導くといった効果が報告されています。また、杉やヒノキといった針葉樹には広葉樹よりも多くのフィトンチッドが含まれており、木工製品になってからもその効果は持続すると言われています。

柔らかさ

杉は非常に柔らかい木で、一般的な広葉樹の家具に比べ傷や凹みが付きやすくなってしまいます。しかし、当工房ではその杉の柔らかさを、人が手を置いたり、座ったりしたときにやさしく感じられるという長所と捉えています。杉からしか感じることが出来ない心地のよさが確かにあるのです。特に椅子の座や背に使うと木の椅子とは思えないほど、優しくあたたかな座り心地になります。

鉋仕上げ

鉋だけが作り出せる光と質感

現在、一般的な木工製品はサンドペーパーによって仕上げられています。一方、当工房では仕上げにサンドペーパーを使わず、鉋で形を作りながら、最終的な木の表面の仕上げまでしていきます。それは鉋仕上げでしか得ることのできない、木そのものの美しさやぬくもりがあるからです。何十年、何百年と大切に育てられた木を最高の姿にして使い、繋いでいきたい。そんな木に対する職人の感謝や敬意の想いを形にするのが鉋仕上げです。

鉋(かんな)

古来、日本の木造建築では、柱や天井などに木を地肌のまま使うことが多くみられます。これは木の持つ調湿性が室内環境を良くすることを知っていたからだけでなく、自然を身近に感じたいという日本人の感性があったからです。鉋は、そうした中で木を活かして使うための道具として独自の発展をしてきた、日本が誇る優れた道具なのです。私たちは大小、形の様々な鉋を使いますが、それらはすべて用途や使い勝手を考え、自ら作ります。鉋仕上げの家具を作る前に、まず鉋を作るところから始めるのです。そしてさらに刃の砥ぎ、台の調整、削り方などを身につけなければ思うような仕事は出来ません。最高の道具とそれを使い込なす技術が市の家具を作り出すのです。

自然な手触りと透明感

一般的な木工製品の仕上げは、サンドペーパーの番手を粗目から細目へと変えながら行います。その過程で木の表面はサンドペーパーの堅い砂の粒によって傷だらけとなっていき、それはいくら目の細かいサンドペーパーを使っても取り切れません。一方、鉋は刃で切って仕上げていくので、木の表面を傷だらけにすることなく、透明感のある自然な仕上がりとなります。その肌触りの心地よさや、経年変化による色艶の上がり方は、サンドペーパーとは全く異なるものです。それは、切れ味の良い包丁で捌いた刺身は口当たりがまろやかで美味しいといわれるのにも通じることかもしれません。

滑らかな曲線美

無垢の木はプラスチックなどと違い、硬さが均質ではありません。そのため、サンドペーパーをかけていると、木の柔らかい部分の方が堅い部分よりも多く削られ、滑らかで線の通った曲線を作るのが非常に困難です。しかし、鉋を使うと木の柔らかい、堅い関係なく凸凹のない滑らかで美しい曲線を削り出すことが出来ます。鉋の一振りが削り出す線の通った一本一本の曲線が、出来上がったものに躍動感を与えてくれます。


撥水セラミック

美しい木肌を長く持続する

鉋によって木肌は自然で透明感のある美しい仕上がりになりますが、そのままではやはり汚れが付きやすくなります。そこで、当工房では鉋による自然な木肌の仕上がりを損なわない「撥水セラミック」というガラス塗料を使い、仕上げています。この塗料は深く木に浸透して強撥水性を発揮するため、木肌の自然な風合いを損なわないだけでなく、一般的なオイル仕上げに比べ、汚れなども非常につきにくくなります。長く美しくお使いいただけるように、新しい技術も含め、常に最良の選択をしていきたいと思っています。

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